誰よりも優しい総長様
あたしは相手の目を盗むと物陰に隠れ着替えた。
袋の中にはお兄ちゃんらしい文字で書かれた助け出すからな。の文字。
あたしは着替え終えるとポケットの中を探る。
出てきたのは加代のゴムだった。
ゴムには細かいけど待ってての文字。
みんながくれた小さな手紙。
あたしはそれに勇気をもらった。
あたしは加代からのメッセージの入ったゴムで髪を縛る。
そしてはめているカラコンを外しケースへとしまう。
ケースには蓮からのたどり着いてやる。のメッセージ。
あたしは涙が流れるのを堪えると、戦闘準備満タンのように着替え、荷物を置いて、物陰から出た。
「聖奏…」
「お、戦闘準備満タンじゃん。やる?」
そう言ってお気楽に聞いてくる聖奏
やっぱり昔とかわらない。
まぁ、やる?って聞いときながら1/3は既に倒れてるんだけどね…
「今はいい。」
それだけを言うと聖奏は一気に残りを倒した。
そして戦いを終えると、あたしの側へと戻ってきた。
「どう?みんなからのメッセージは?」
「知ってたんだね。」
「なんたって、提案したの俺だし?」
そう言って聖奏は自慢気に笑っていた。