誰よりも優しい総長様
「頭をあげてくれ。今回のは事故だろ?それに族なんてやってるんだから、こんなことがあっても仕方が無いよ。」
慶君のお父さんの言葉から族なんて言葉が出るからあたしは驚きのあまりに頭をあげて顔を見た。
「もしかして飛鳥くんに、桃香ちゃんなの?」
そう呼んだのは他でもない、柚那ちゃんのママだった。
「美月…」
「えぇ。」
「新城って2人のことだったのか。」
そして話に入る柚那ちゃんのパパ。
話を聞く限りどうやら知り合いらしい。
そんな時、手術室の扉が開き医者が出てきた。
あたしは思わず医者に飛びついてしまった。
「ねぇ、柚那ちゃんは!?慶君は!?ねぇ、どうなのよ!」
「落ち着いてください。お2人とも命に別状はありません。ただ…」
そして言葉を詰まらせる医者にあたしはもどかしくて仕方がなかった。
「真実を受け入れるつもりです。教えてください。」
そう言ったのは弘毅くんだった。
「はい、お2人とも意識が戻らない状態です。いつ戻るかはこちらでも分かりません。最悪の場合は一生このままということもありえます。」