おとぎ物語 〜シンデレラ〜
ちくっ
「――痛っ!!」
バラのトゲで指を切ってしまった。
血が出ている。
こんな手で王子様と踊るなんて、無理………………!!
「シンデレラ、てを出して。」
ヴィヴィが話しかけてきた。
「バラの花たちよ、シンデレラはこの場を荒そうとしているわけではない。
この者に治癒の力を与えよ―――…」
パアッ
「!!」
みるみる指の傷が消えていく。
私の指を切ったバラの花がしぼんだ。