おとぎ物語 〜シンデレラ〜
「さあシンデレラ、急がないと、舞踏会が終わってしまうわよ!」
ヴィヴィ……
「私はなぜ、『シンデレラ』なの――――――――…?」
「え?」
私が発した言葉がよっぽど予想外だったのか、ヴィヴィは口を開けている。
「私なんかの名前がシンデレラなんて、素敵すぎて、私には似合わない。
完全に名前負けをしているわ、私。」
「それは…」
「ヴィヴィはきっと、私が『シンデレラ』じゃなかったら助けてなんてくれなかった!
私が『シンデレラ』だから助けてくれた!!
でも、私は『シンデレラ』なんかじゃない!
私は『ルシア』!!ルシアという名前がある!
お願いだから私を見て!!
『シンデレラ』じゃなくて、『ルシア』の私…を………!!」