どこにでもいる双子が永遠の命を手に入れたという物語
「行こうか」
りゅーとが手を差し出すと、
「そうだね」
りゅーこはその手を握った。
そして、燃えさかる炎を背に向けて歩き出す。
少し歩くと、二人は振り返り、
「ばいばい」
「今までお世話になりました」
また、歩き出した。
「楽しかった?」
「そうだねぇ~。ちょっと、楽しかったかも」
「良い人がいっぱいいたね」
「そうだね」
「あの薬、役に立たなそうだね」
「王様も、悪戯出来るって喜んでいたのにね~
残念」
「あれじゃ、王様も、燃やされちゃうかもね」
「てゆーか、命令したのは王様じゃないの?」
「じゃ、悪い魔法使いさんにでもあって、相当恐ろしかったのかな?」
「多分ね」
笑い声は、夕暮れの空に吸い込まれて、誰の耳にも届くことはなかった。