逢いたい~桜に還る想い~
「久し振りに会えたんだもん。……ラブラブしたいんですー」
べぇっと舌を出して、
───瞬間……
──『一人暮らしの話、───郁生と、関係があるよね……?』
──『郁から離れたいの?
トコ、いつから郁のこと……』
昨日の瑤子ちゃんとの会話が、脳裏をよぎり。
「…………」
ふと、黙ってしまったあたし。
───ポンポン…と、頭に優しく撫でられて、
「………トーコさん、見て」
指差された先を、視線でたどると、
────………
「うわぁ………」
砂浜の向こうに青い海がキラキラ光り、あたしは歓喜の声を上げた。
「海だぁ……!」
海、いつ以来だろう。
嬉しくなって、思わず郁生くんの腕を引っ張って、
───あ、と自分の行動に気づいて、あたしは固まってしまった。