逢いたい~桜に還る想い~
さっきの話の流れで………なんの冗談っっっ!??
赤面大爆発のあたしの両頬を、
ぷにゅっと軽く摘んで笑う郁生くんに、
「~~~~バカッ! 本当に怒るよっっ!!!」
拳を振り上げたあたし。
────なんなのコレ!?
腹立つ!!!!
穏やかな瞳にあたしを映しながら、郁生くんが続ける。
「ごめん………本当は分かってるんだ」
「なにが!?」
あたしが、単純だってこと!??
湯気の上りそうなあたしの頭に、ポンッと手を置いて、
郁生くんは、何か遠くを探るように目を細めた。
「………自分の間違いを……どんなに後悔しても……二度と還らないってこと…。
後悔しても、無駄なことも………」
「……なんの…こと?」
「桜が散るように───全部消えたらいいのに……。
ごめん。自分の蒔いた種なのに………トーコさんに八つ当たりして」
またもや、謎掛けのような言葉に、あたしは戸惑う。