逢いたい~桜に還る想い~
「……生きたい……一緒に、生きていきたかった……」
私を強く抱きしめた真の口から、そんな悲痛な呟きがもれた。
それでも───
「ごめん………もう長くないんだ。
柏原の家で迷惑がられながら、死んでいくのは悲しいから、
せめて、ここの桜の中で死にたいと思って」
私から少し体を離すと、穏やかな瞳に戻った真が静かに笑う。
………間近に迫っている死を、覚悟して。
「……最期に逢えてよかった………それだけで、もう十分幸せだ」
今にも消えてしまいそうな、真の儚い微笑に、
私はいやいや首を振り、痩せて骨ばったその背中に腕を回して、しがみついた。