逢いたい~桜に還る想い~
「えぇっ!? このメンツで飲むの!? 正気!?
───てか、彼女未成年だよ!?」
何考えてんだろーか、こいつは……。
「あほ、よく見ろ。ちゃんとジュース買ってきてるぞ」
「……あたし、飲めます。兄貴の家や店で、カクテルとか飲んでるんで」
遠慮してか、まだ玄関にたたずんでいた杏崎未桜が、そんな口を挟む。
………おいおい、そーいう問題じゃないでしょ……。
「さっきの勢いはどーしたんだよ、女子高生。遠慮しないで上がんな」
「遠慮したくなるでしょ……人並みに綺麗にしてる人が言うセリフだよ、それ……」
「試験勉強とレポ、真面目にやってんだよ。余計な時間ないっつーの」
「掃除は“余計な時間”とは言わないと思うんだけど……」
そんな、あたしと雄仁のやり取りを見ていた杏崎未桜が、ぷっと吹き出した。
「おにーさん……もしかして、電話のうちゅー人さん?」