逢いたい~桜に還る想い~
びっくりし過ぎて、言葉を失ったあたしに、母親が矢継ぎ早に続けた。
『もう、つわりっぽいのが始まってるんだって。
16年ぶりだしねぇ。郁生の時も結構つわりあったのよね。
もう、孫はあんたか瑤子が結婚してからと思ってたから、びっくりよ!
香子もまだ35だし、おかしなことじゃあないんだけどさ。
だいたい3月くらいじゃないかと思うんだけど、予定日。まだ早すぎてはっきりはしないみたい。
それでね、やっぱり産むのは日本の方がいいから、体調が落ち着いたら、臨月より前にはこっちに帰ってきたいって言うのよ』
「帰ってくるって……安西さんは…?」
『そりゃ、一緒に帰ってくる訳にいかないから、単身赴任で頑張ってもらうしかないんじゃない?
赤ちゃんが産まれてから、その先のことはまた考えるって。
ほんと、のんびりしてるっていうか、なんていうか……。香子らしいけど、まったくねぇ!
うちはまた賑やかになっちゃうわ。私、赤ちゃんも香子も同居じゃ、大忙しよ!』