逢いたい~桜に還る想い~
────……大切な二人を手にかけた私の背中に、
父上のさも嬉しそうな、愉快とでも言いたげな高笑いが浴びせられた。
『おまえのせいだ! おまえが殺したんだ、二人とも!』
最後の方は笑いを止め、この世の中の一番おぞましいものでも見るような目つきに変わり、私を睨めつける。
『そして───そう、室も……』
しかし……振り返った私の目に───涙が浮かんでいなかったことに、父上は眉を潜めた。
『なぜ、泣かぬ……』
泣かない……父上の思い通りになんか、絶対なってやらない。
せめてもの、二人への弔い───二人は、私に『幸せに生きて』という言葉を手向けてくれたから……。
『その目………室に…よう似たその目で……気に入らぬな』
父上が吐き捨てるように、その場を去っていった。
その日から、ちょうどひと月経った頃────………