逢いたい~桜に還る想い~
「様子見てりゃ、どーなったかくらい分かるさ」
「分かるって……」
「しかし、おまえ単純だな。それか、俺の演技力が勝(マサ)ったか?」
「………もしかして……雄仁……」
あたしは嫌な予感を抱えつつ、わなわなと雄仁を指差すと、
ヤツは実にしれっと答えたのだ。
「あの時あいつが見てたの、おまえ、気づいてなかった?」
「───知ってて、……まさか、煽ったの!?」
………郁生くんとのこと、バレてるっ!
しかも……信じらんないっ!!
あれって、郁生くんを煽るための演技だったってこと!?
あたし、からかわれてたってこと!?
最悪!! ───赤くなったあたしを、抹消してほしい!