逢いたい~桜に還る想い~

噴火寸前のあたしを余所に、雄仁はカラカラ笑い、得意そうに続ける。


「ま、心理作戦の勝利っつーことで。

今度なんか奢れよー」


「…………」


いつまでも押し黙ってるあたしを覗き込んだ雄仁が、


「……あれ? もしかして、本気じゃなくて残念だった? 悪いな」


その一言に────あたしは、キレた。


「雄仁のばかっ! もう! 絶交!!」


  バタンッ!!


そんな捨てゼリフを吐いて、そのまま部室を飛び出したあたし。





………後に一人残された雄仁が、


「……“絶交”って…あいつ小学生か?」


ククッと笑いながら、


「ま、困った顔して悩まれるよりは、いいやな」

なんて呟いていたのは、知る由もなくて。


その真意は、あたしの預かり知らぬところ………



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