逢いたい~桜に還る想い~

    ★    ★


「そうだ、トーコさんごめん。めんどくさいことになっちゃったんだ」



家のリビングにて、たい焼きでお茶しようとしていると、おもむろに郁生くんがそんなことを言った。


「めんどくさいこと? なぁに??」


キッチンでマグカップに紅茶を淹れながら、振り返るあたしに、


「あ、───もっかいごめん。間違って食べちゃった……」


「あっ、あたしのチーズあんこ!」


「……これ、結構うまい」


「でしょー?」


「お好み焼き味と半分こずつにしちゃだめ?」


「おっけー。……で? めんどくさいことって?」


「あぁ、そうだった」と、郁生くん。


「……んと、杏崎がさ、『大学祭、一緒に行こう』って話を振ってきてさ」


「未桜ちゃん?

……あぁ、『見学も兼ねて行ってみたい』って言ってたかな、この前」



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