逢いたい~桜に還る想い~
ごめんね────ちょっとだけ、嘘。
“不安”は“全然ない”って訳じゃない。
さっき『もっと触れたい』って感じた瞬間……思い浮かんでしまった前世(カコ)の記憶。
郁生くんが、好き。
もっと触れたい。もっと触れて欲しい。
だけど───
あたし達に、それは赦されるの?
かつてのように、深く愛し合っても大丈夫なの?
───そんなことに、一瞬でも揺れてしまう自分が情けなくて……
思わず冗談めかした空気にしてしまったけれど。
ずっと側にいたい。
離れるなんて、考えたくない。
だから────
「強くなりたい……な」
常識を逸脱しても気にならないくらい深い気持ちで、
神様から与えられたあたし達への罰も、ねじ曲げてしまうくらい、強く────………