逢いたい~桜に還る想い~
大学祭
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日々バタバタと過ぎ───あっという間に迎えた大学祭。
最終日の11月3日は祝日とあって、例年始めの2日間に比べると外部の客が圧倒的に多く、
今年は爽やかな秋晴れになり、凄い集客だ。
あたしは人混みをなんとか避けながら、
サークル棟から総合校舎の中庭にあるテントまで、段ボールを運んでいた。
「お菓子の追加持ってきたー!」
「おー、ご苦労さ~ん」
大きな段ボールを、サークルのお店のテント裏にドサッと降ろす。
うちのサークルのお店は、近所の小学生が遊びにきてくれる今日が勝負。
あっという間に裏にストックしてあった景品用のお菓子が少なくなってしまい、
あたしは部室に置いてあった景品の入った段ボールの運び出し作業をしていたのだ。
「……あ、未桜ちゃん」
見ると、型抜きのコーナーで真剣な表情をした未桜ちゃんが、一生懸命ちまちま手を動かしている。
「あいつ、型抜きハマってんの」
ポンッと肩を叩かれ振り返ると、
「───雄仁」