逢いたい~桜に還る想い~
その手のぬくもり
★ ★
結局そのまま38℃以上の熱が続いて、
───ようやく37℃代の微熱に下がったのは、3日後だった。
あの変な夢を、その間見ることはなくて……あれは何だったのか。
久々の熱にうなされてほとんど眠っていたせいか、あまり考えることはなかった。
そんなこんなしているうちに3月が終わってしまい、
あと少しで大学の前期授業が始まる時期になってしまった。
早く咲いた今年の桜は、入学シーズンを待たずに早くも満開を迎え、少しずつ散り始め……
あたしは、このまま日常に戻ってくれれば、と願っていた。