いつもの電車で。
2人ともすごく柔らかい雰囲気で、周りが見ていて幸せになるような夫婦だった。

おじさんの降りる駅に着いてもおじさんは降りずその三つ先の駅までおばさんと乗った。

「さて、降りようか。」

おじさんはそのままおばさんをエスコートして電車を降りて行った。

私は2人を見た時から、素敵な夫婦だな思う反面、胸が苦しかった。
おじさんにはあんなに良い奥さんがいて、私に見せる顔とは全然違くて、その事実が私の胸を苦しめていた。

私はこの朝、静かにおじさんに失恋してしまった。
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