Dear 輝
「咲耶ちゃん、菜月ちゃん、ごめんなさい!」
更衣室の片隅で、2人の親友に頭を下げて謝罪した。
理由は分からない。ただ、昨日まで親友であったはずの咲耶ちゃんと菜月ちゃんに、今朝から無視をされ続けている。
挨拶をしても返ってこない。
「おはよう」
いつものように笑顔で挨拶をしたはずなのに。
2人は席を立ち、別の場所へと移動してしまった。
きっと、私に原因がある。
謝罪しなくては。
体育の授業の前、更衣室で。
意を決して、咲耶ちゃんと菜月ちゃんに頭を下げた。
ちらりと2人を見ると、冷たい目で私を見下す咲耶ちゃんの姿があった。
「マジうぜえ」
そう呟いた咲耶ちゃんは、菜月ちゃんを連れて更衣室の端へと移動した。
呆然と立ち尽くす私。
何が起きた?
私の何が悪かった?
会話を聞いていたクラスメイトが、嬉々として私に駆け寄ってきた。
「マジウケるんだけど!乞食はついに乾たちにも見捨てられたわけ!?」
大声で笑う、甲高い声が更衣室中に響き渡る。
乞食と呼ばれて約1年。
1年間、いじめに耐え抜いてこられたのは、咲耶ちゃんや菜月ちゃんが支えてくれたからだ。
なのに。
一緒に泣いてくれたはずの咲耶ちゃんも菜月ちゃんも、冷め切った瞳で私を見下ろすのね。
ついに、私は全ての人から見捨てられてしまった。
味方と呼べる人は、担任の家村先生だけかもしれない。
「泣く?乞食泣いちゃう!?おもしれえ!!」
女子生徒はお腹を抱えん勢いで笑っている。
頬を、一粒の涙が流れた。
大粒の涙は、行き先を失うと床にシミを作った。
俯き、溢れ出る涙を抑えようと必死になる。
けれど、涙は止まることを知らない。
「あ、ごめーん。いると思わなかったー」
上履きの上から足を踏まれた。
体重が思い切りのしかかった足が痛む。
言葉は出ない。
ただ涙が溢れ出た。
ごめんね、ごめんね。
きっと私が悪かったんだよね。
ごめんね。
私、調子に乗っていたのかもしれないね。
ごめんね。
甘えすぎたかな。
ごめんね、ごめんね。
心の中で、何度も何度も謝った。
届くことのない心の声は、嗚咽えと変わった。
更衣室の片隅で、2人の親友に頭を下げて謝罪した。
理由は分からない。ただ、昨日まで親友であったはずの咲耶ちゃんと菜月ちゃんに、今朝から無視をされ続けている。
挨拶をしても返ってこない。
「おはよう」
いつものように笑顔で挨拶をしたはずなのに。
2人は席を立ち、別の場所へと移動してしまった。
きっと、私に原因がある。
謝罪しなくては。
体育の授業の前、更衣室で。
意を決して、咲耶ちゃんと菜月ちゃんに頭を下げた。
ちらりと2人を見ると、冷たい目で私を見下す咲耶ちゃんの姿があった。
「マジうぜえ」
そう呟いた咲耶ちゃんは、菜月ちゃんを連れて更衣室の端へと移動した。
呆然と立ち尽くす私。
何が起きた?
私の何が悪かった?
会話を聞いていたクラスメイトが、嬉々として私に駆け寄ってきた。
「マジウケるんだけど!乞食はついに乾たちにも見捨てられたわけ!?」
大声で笑う、甲高い声が更衣室中に響き渡る。
乞食と呼ばれて約1年。
1年間、いじめに耐え抜いてこられたのは、咲耶ちゃんや菜月ちゃんが支えてくれたからだ。
なのに。
一緒に泣いてくれたはずの咲耶ちゃんも菜月ちゃんも、冷め切った瞳で私を見下ろすのね。
ついに、私は全ての人から見捨てられてしまった。
味方と呼べる人は、担任の家村先生だけかもしれない。
「泣く?乞食泣いちゃう!?おもしれえ!!」
女子生徒はお腹を抱えん勢いで笑っている。
頬を、一粒の涙が流れた。
大粒の涙は、行き先を失うと床にシミを作った。
俯き、溢れ出る涙を抑えようと必死になる。
けれど、涙は止まることを知らない。
「あ、ごめーん。いると思わなかったー」
上履きの上から足を踏まれた。
体重が思い切りのしかかった足が痛む。
言葉は出ない。
ただ涙が溢れ出た。
ごめんね、ごめんね。
きっと私が悪かったんだよね。
ごめんね。
私、調子に乗っていたのかもしれないね。
ごめんね。
甘えすぎたかな。
ごめんね、ごめんね。
心の中で、何度も何度も謝った。
届くことのない心の声は、嗚咽えと変わった。