きみに出会う10秒前。
「転ぶなんてダサいですよね……ほんとダサいな…」
「平気だよ。気をつけなよ」
目の前にいる心が見るからに澄んでそうな女の子……
「え、あ、、はい」
「お大事にね」
変なタイミング……
でも可愛い顔してるよなこの子。
はぁ。俺なに考えてんだろう。
これじゃあ死ねないじゃん。
転ぶタイミング悪すぎだろ……ほんと。
「これありがとうございます」
ハンカチを指差してはにかむ彼女。
「いいよ。気にしないで。じゃあね」
今日は朝から災難続きだ。
飛び降りが失敗したから次はどうしようか……
どうやって自殺しよう……
「あの!」