涙夢
「もうっ!遅いよ、絢音!」
そういって、頬をプーッと膨らませて仁王立ちしている
坂下蘭。
本当に同じ年なのかっておもうくらい
大人っぽい。
サラサラの栗色ヘアをくるくる巻いて
どうしたらそんなに白いのってくらいに白い肌。
短いスカートから見える
細い手足。
本当に美人だ。
顏はそこらへんのモデルよりも美人だしね!
「ごめんごめん!」
「絢音、何かあった?」
蘭の勘は本当に鋭い。
「んーん、大丈夫だよ。」
あえて、何にもないとは言わなかった。
嘘になるから。
でも蘭は何も聞いてこない。
蘭だって4月19日の出来事をしってるから
気を遣ってくれてるんだと思う。