朝のバス

今日はゆったりさんの日だった。
いろんな人が運転しているけど、何人か決まった人はいる。私は自分の中で運転の仕方によって何人か呼び分けていた。

今日はその何人かの中でも、ゆったり運転するゆったりさんだった。
ゆったりさんは、朝のイライラした学生たちを乗せながらいつもゆったり。安全運転なのは凄く良いことだし嬉しいんだけど、遅刻しそうな時ははっきり言って急いで欲しい。
ゆったりさんは奥に詰めて欲しい時も、ゆったり、

『おくへ〜おつめくださ〜い。学生さんたち〜おくへ〜つめてくださ〜い』

という感じでゆったり言うもんだから、みんなイライラ。
でも、出発するとき手を伸ばして安全確認して出発っていうところはなんというか、凄いなあって思う。

私だったら後ろが怖くって焦っちゃう。この人は何しても焦んなさそうだな。私はそう思った。

今日のゆったりさんはいつも通り、ゆったり安全運転だった。
でも今日は何時もより少し早いから、ゆったりでも遅刻の心配がなくて気持ちにも余裕が出てくる。何と無く、本を読もうと思って鞄の中から本を出して読み始めた。
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