朝のバス
私の降りるバス停は終点で、私は本を読み耽った。あんまりにも没頭していたら、気が付いたら私が降りるバス停になっていて、私は慌ててバスから降りた。

その時、

「ちょっとそこの制服のお客さん！ちょっと待ってください！お客さん！！」

珍しい、ゆったりさんが叫んでる。
そう思って、振り返ってみた。すると、ゆったりさんと、ゆったりさんの周りの生徒が私を見ていて、ゆったりさんは私の本の栞を手に持っていた。

「これ、落としてますよ！お忘れ物です！」

ゆったりさんは必死に私に栞を差し出してくる。私は慌てて受け取って、お礼を言った。そうするとゆったりさんはニコッと笑って

「いいえ。」

と言った。


私は教室に行って、友達に今朝のゆったりさんが慌てて私に栞を渡してくれたことを話した。私には大事件だったけど、他の子にはさほど興味ない話みたいだった。
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表紙・目次

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