朝のバス
「なんか、いい人と出会いがなかったよね〜」

高校に入って何人かと付き合った友だちがそんなことを言ったから

「ゆうはいっぱい出会ったじゃんか〜」

と言うとしれっと

「別れたってことは運命の人じゃなかったってことだよ？いい人イコール運命の人だからー！」

と言った。彼氏が一度もできなかった私は笑って

「じゃあ私は出会えそうにないなー」

なんていった。

「なに言ってるの〜バスのゆっくりさん？がいるじゃん！」

友だちは私が1度も考えもつかなかったことを言い始めた。

「えー？あの人とはほとんどなんの接点もないよ？？それにゆっくりさんじゃなくて、ゆったりさんだし！名前付けてるならゆったりさんと急ブレーキさんとがたがたさんと…」

ため息をついて、呆れ顔で友だちは私に向かって話す。

「あんたね〜その割りにはゆったりさんの話多いし楽しそうだったよ〜？ゆったりさん結構好きでしょ？」
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表紙・目次

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