朝のバス
帰りのバス、偶然にも、ゆったりさんだった。こんな偶然もあるんだと驚きながらも私はバスに乗った。

ゆったりさんは相変わらずゆったりで、私の気持ちも穏やかだった。
バスからぼーっと外を見ていたらもうすぐこういう生活はなくなっちゃうんだと思ったらたまらなく寂しくなって泣きそうになりながら私は外を見続けた。

私が降りるバス停に着いた。

バスから降りた瞬間に、聞き覚えのある声が後ろからした。
ゆっくり後ろを振り返るとゆったりさんがにっこり笑って私の方になにかを差し出していた。
胸がドキドキしている。

漫画みたいなことも、実際にあるのかもしれない。もしかしたら漫画より素敵なことが、あるのかも。
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