脱・不幸恋愛体質

「ちょっと痛いから!!!」


私もぷくっと膨れながら、地味に叩いて反撃。

だってリアルに反撃したら、もっとやられそうじゃない?

でもね。
蓮は男の子でした。

攻撃する手全てを、チョイチョイっと捕まえられてしまう。


あ~~ん。
これじゃ反撃になってないから!!!


「だから、無理だって」


そう言うと、最後に振り上げた手を掴まれ、グイッと引き寄せられる。

反対の手からすり抜けた自転車は、背後で音を立てて倒れた。


―――ガシャン


「俺に勝とうなんて100万年早い」


言ってる言葉はいつもと同じなのに、状況がおかしいよね?!


「蓮??」


「……」


私、蓮の胸の中に居る…よね?

ちょっと!!
心臓が爆発しそうなんですけど。

あまりに急な事に、息が思うように吸えなくて苦しくなってしまう。


「なんで…」


辛うじて出てきた言葉に


「うっさい」


って。
会話はいつも通りなのに、やっぱり何かがおかしいよ~~

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