脱・不幸恋愛体質
「今日の蓮、変だよ…」
「お前の方が変だから」
私が?
確かに、ウッカリ手を掴んでしまったりしたから、否定は出来ないんだけどさ。
「……」
微妙に図星で、つい無言になってしまう私に
「約束忘れんなよ」
そう言うと、私から離れ後ろで倒れている自転車を直してくれた。
やっと新鮮な空気が体に入ってくる。
「ありがとう」
「……別に」
そう言うと、私達はまた並んで歩き始めた。
もちろん、無言。
角を曲がり家が見えてきた頃
「後は帰れるよな?」
「えっ?う、うん」
「じゃあ、俺帰るわ」
そう言うと、私を帰らせながら反対方向に歩き始めた。
「えっ?!」
そう振り返ると、蓮は右手でバイバイしながら自転車に跨って漕ぎ始めた所だった。
う~~ん。
やっぱり、蓮が何を考えているか分からないや。
家に入る時に再び振り返ったけど、蓮の姿はすでに無くなっていた。