脱・不幸恋愛体質

「簡単な訳ないだろ。言わなきゃ分からないか?」


耳元で聞こえる蓮の声がもの凄く切なそうで、力が入っていた手から力が抜けていく。


「……」




「翔の事を忘れるまで我慢って思ってたんだ。俺、本気だから……

愛莉が好きなんだ。付き合って欲しい」




「えっ…あの急で…」




「もちろん、すぐにじゃなくても良い。落ち着いてからで構わない。

ただ、俺で不幸恋愛体質は終わらせてやれる自信は有る。幸せに…する」



そう言うと、蓮は素に戻ったらしく


「俺、何を……恥ずかしい」


って、言いながら私から離れて背を向けた。

そんな蓮がすごく可愛くて、すごく愛おしく思えたんだ。


「恥ずかしい奴」


なんて言いながら、蓮の背後から抱きしめた。

ドキドキが止まらなくて、蓮の背中から伝わってしまいそうで恥ずかしかった。





「ちゃんと、幸せにしてよね」





背中越しに蓮に呟く。


聞こえた?


私の精一杯の告白なんだから。


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