脱・不幸恋愛体質
「……全部終わったのか?」
「いや…その…」
まるで蛇に睨まれた蛙の様に、蓮を見つめたまま固まってしまう私。
―――ゴツン
「いって―――!!!」
そんな挑戦的な蓮に容赦なく飛んでくる翔君の拳は、見事に蓮の脳天を直撃した。
目の前で悶える蓮に
「言う事が違うだろ、蓮」
と、見た事が無い位男っぽい翔君。
きっと、蓮にとってはお兄ちゃんみたいな存在なんだろうな。
「知らねーよ!!こいつが勝手に倒れたんだろ」
そう言うと、蓮は私を睨みつけ走って外に行ってしまった。
「ったく。ごめんね、愛莉ちゃん。あいつも悪気が有ってやった訳じゃないんだよ。ただ、ちょっと……」
そう言うと、蓮が出ていったの方を見ながら言葉を濁した。
な…なによ?
めちゃくちゃ意味深な感じじゃない?!
私と彩乃が顔を見合わせていると、そんな空気を察したのか翔君が立ち上がった。
「さあ、仕事を再開させようか。2人は中で働いてね。愛莉ちゃんも無理しないように」
そう言うと、私達に仕事の指示を出してくれた。