脱・不幸恋愛体質
結局、私達はラストまで働き終え、一応無事にバイト初日を終わる事が出来た。
「お疲れ様でした」
彩乃と私の声が、静かになった店内に響き渡った。
「お疲れ様。明日も宜しくね」
店長は売上金を数えながら、私達の方に向かって手を振ってくる。
店長、器用だな。
「はーい」
私達も笑顔で答えると、海の家を出て道路の方に向かった。
「愛莉は自転車?」
「うん、彩乃は?」
すると、ニヤッと笑顔を作り
「車」
って、彼氏と帰るんかい!!!
うん、やっぱり羨ましいかも。
「はいはい、そうですか。じゃあね」
「やだ~~愛莉ったら妬いてる?!大丈夫、心は常に愛莉のものだから」
語尾にハートマーク付で宝塚口調で言ってくれる彩乃に、私も笑いながら
「ウケるんだけど。もう!!早く行きなって」
そう言うと、私は彩乃に手を振り自転車置き場に、彩乃は駐車場に向かって歩き始めた。