脱・不幸恋愛体質

「もしかして……愛莉?」


そう言われたら、もう逃げる訳にはいかないよね。


「うん。久しぶり、幸二」


そう、私の目の前に居るのは紛れもなく私に二股をかけてその後振ってきた元カレの幸二。

中学卒業して1年半も会わなかったけど、昔の面影がかなり有る。

あの頃の幸せだった日々を思い出すと同時に、二股を知って振られた苦い記憶も蘇ってきた。


頭がクラクラする。


「元気だった?なに、ここでバイトしてるの?」


よく笑顔で話せるわよね。
悔しいから私も頑張って作り笑顔。


「うん、そうなの。毎日が楽しくて」


上手く作れてたか分からないけど、とりあえず第一関門突破。


私、グッジョブ。


心の中でホッとため息をつく。

しかし、すぐに第2の試練が待ち受けていた。


「相変わらず可愛いね、愛莉ちゃん。ケータイ番号教えてよ」


!!!!!!


な、何言ってんだコイツは?!

自分から振っておきながら、よくもまあ、ぬけぬけとそんな事を言えたもんだわ。

続いて、第3の試練が立て続けに襲いかかってくる。

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