脱・不幸恋愛体質
「ぷっ…あはははっふっ!!!!」
ちょっ!!!
人が本気で心配してるのに、笑う事はないでしょ?!
「ちょっと、笑う事無いじゃない」
私は蓮にそう怒る反面、本当の笑顔を初めて見た気がした。
いつもの愛想笑いじゃない。
今なら分かる。
いつもの笑顔は、仕事用なんだって。
「悪い悪い。お前が、あんまりにも必死だったからつい。ってか、やり方古いよ」
古い?!もう!!!
苛ついたけど、何だか蓮の普段の態度に納得させられた。
女性に対する不信感と、お金を稼ぐ事の大変さ、お金のありがたみを、もう蓮は私と同い年にして悟っているんだね。
「強いね、蓮」
私はきっと笑って居られないよ……
私なんかよりずっとずっと苦労しているのに、微塵も感じさせないんだもん。
「強くねーよ。お前と同じ、鎧を纏っているだけだよ」
逆に私の心を見透かされているみたいで、ドキッとしてしまった。
潮風が皮膚にまとわりついてくる。
「幸せになるんだろ?」
「えっ?」
いきなりのそんな質問に、全く対処出来ない自分が居た。