脱・不幸恋愛体質
不幸恋愛同盟
「だから、幸せな恋愛したいんだろ?」
「なっ!!!なんで分かるの?!」
まるで魔法使いの様に、私の心の中の叫び声を読み取ってくれる蓮。
「似てるから」
そう言うと、急に端に自転車を停めると
「ちょっと待ってろ」
と、自動販売機の方に走って行った。
数分後に帰ってきた蓮の手には、オレンジジュースとコーラが……
「どっちがいい?」
「えっ?あ、オレンジジュース…」
そう言った私に、オレンジジュースを渡すとコーラの栓をプシュッと開けた。
シュワシュワと炭酸が音を立てている。
「早く開けろ。乾杯出来ないだろ?」
「乾杯?」
そう言われて、オレンジジュースの栓を開けながら不思議そうな顔をしている私に
「不幸恋愛同盟の結成祝い」
「不幸恋愛同盟?!」
何だか可愛くない名前。
しかも、不幸せそうだし……
「どっちが先に抜けられるか、競争だからな」
そう言うと、私のオレンジジュースの缶とコーラの缶が合わさった。
そう言う事か。
意外と面白い事を考えるな~~なんて、また蓮の意外な一面を知って、うっかりニヤニヤしてしまう。
「負けないもん」
ニヤケ顔のまま宣言しても、全く説得力無いよね。