脱・不幸恋愛体質
「ど…どうしたの、翔君?」
いつもと違ったオーラを放っている翔君。
どうしたんだろう?
なんだかただならぬ雰囲気を感じた彩乃は、意味深な笑顔を私に向けてきた。
「愛莉ちゃん、ちょっと手伝って貰って良いかな?」
「あっ、はい」
なんだ、仕事ね。
ホッとする反面、ちょっとガッカリ。
なんかいつもと違った雰囲気に感じたのは、気のせいだったのかな?
私は彩乃を見ると、『なんだ~~』って残念そうな顔をしていた。
…人で楽しまないで下さい。
翔君の後を付いていくと、少し離れた所に有るシャワールームの掃除の手伝いだった。
翔君がさす傘に2人で入った。
まるで、相合い傘みたい。
シャワールームと言っても簡易的な小屋で、中にはシャワーの出る部分だけが上部に有るパイプに固定されているものだった。
雨のせいか、電気を付けても少し暗い。
「どうしたら良いの?」
私は仕切られているだけの個室を覗きながら翔君に聞いてみた。
「……」
あれ???
返事がない……
「しょうく…――!!!」
私が振り返ると―――