脱・不幸恋愛体質
翔君の横顔のドアップ!!
というか、多分この状況って……
私、抱きしめられてません?!
背が高い翔君の中に、スッポリくるまれてしまう私の体。
湿った空気が、私達を包み込んでいた。
「翔君?!」
「愛莉ちゃん。好きなんだ……」
真面目そうな翔君の意外にも大胆な告白に、何がどうなっているのか全く理解出来ていないのですが。
翔君ってこんな事するんだ…なんて、妙に冷静な自分も居たりして。
あまりにも近い翔君の顔。
息遣いまでもがじかに感じてしまう距離。
「返事……聞かせてよ」
そう言いながら、翔君は私の肩に顎を乗せてきた。
もちろん、手は私の体を捕らえたまま離さない。
「…えっ…あの……」
準備が出来ていたはずなのに、しどろもどろになっている私。
めちゃくちゃカッコ悪いね。
「俺の事嫌い?」
「き…嫌いくない」
ってテンパり過ぎて、日本語を間違えていますけど……
そんな私の返事に、クスッと笑いながらさっきより強く抱きしめてきた翔君。
「じゃあ、俺の事好き?」
!!!!!
そう言いながら、私の事をクルリと向きを変えさせてきた。
完全に翔君のされるがまま。
顔が見えると、余計恥ずかしくて言えませんから!!!