脱・不幸恋愛体質

「なんでって……何でもだよ!!」


「良いじゃん、友達なんだからさっ」


膨れっ面で蓮に抗議してみると、呆れた顔で


「お前は…男心を分かって無さ過ぎなんだよ」


そう言うと、私に傘を渡してきた。


「えっ?」


「やるよ」


そう言うや否や、きびすを返し走り去って行ってしまった。


「えっ、蓮?!ちょっと!!!」


足が長いからだろうか?

追いかける私からぐんぐん遠くなってしまう蓮。


男心…か。

分かっていたらヒドい恋愛なんかしてないよ。

蓮だって女心分かっていないクセに。

なんて悪態をついた所で、肝心の蓮は居ないんだから仕方ないよね。

仕方無く蓮から貰った傘をさしながら、すぐ先にある自宅へと戻った。


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