脱・不幸恋愛体質
「何してんだよ!!!」
へっ?!
「チッ、なんだよ」
舌打ちしながら振り向く奴。
「もしもし、警察ですか?潮見公園で女の人が襲われてます。早く来てください」
大声で奴に向かって話すその人。
「テメー」
そう言いながら、襲いかかりそうな勢いの奴に向かって
「警察来ちゃうぞ?」
と、冷静に言い放つその人。
奴はその言葉を聞くと、一瞬躊躇した後
「……チッ…クソッ」
そう言い、公園の奥に逃げ出した奴。
その間に、私もベンチから離れその人に向かって走った。
「大丈夫か?」
「蓮!!!」
蓮は胸に飛び込んで行った私を抱きしめると、ゆっくり公園の入り口に向かって歩き始める。
「何もされてないよな?」
私がゆっくり頷くと、少しだけ息を漏らしながら『良かった』と呟いた。
「とりあえず、ここを出るぞ」
そう言いながらも、ずっと背中をさすってくれていた。
少しずつ明るくなると、少しだけ安心できたのと共に再び恐怖が襲いかかってくる。