脱・不幸恋愛体質

やっと公園の入り口をでて、大きな道路に出る前の小道にたどり着いた。

ポロポロとこぼれ落ちる涙を拭いながら、蓮に何度もお礼を言った。


「ありがとう…本当にありがとう」


「もう、良いから。ってか……」


そう言うと、蓮は少し顔を背けると自分のTシャツを脱いで私に渡し


「とりあえず、これを着とけ」


って…
改めて自分の姿を見た。



!!!!!



うわっ!!
破かれたシャツが全開で下着姿でした。

手で隠しながら、蓮のTシャツを掴むと急いで上からかぶった。

さすがに大きかったけど、そうも言ってられない。


「だ…大丈夫だよ。ありがとう」


「ああ」


そう言うと、やっとこっちを見た蓮。


「どうしようもないね、私」


蓮の顔を見てやっと落ち着いたのか、再び涙が溢れ出してきたんだ。


「どうする?警察行くか?」


そう心配してくれる蓮に


「いい、大丈夫!!!大丈夫だけど……少しだけ一緒に居て…」


そう言いながら、蓮の腕を掴んだ。


「……分かった」


少し躊躇しながらも、片手で私を抱きしめた蓮。

今は、何よりも温もりが欲しかったのだ。


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