脱・不幸恋愛体質
茫然とする私の後ろから、優しい声が聞こえて来る。


「ごめんね、愛莉ちゃん」


振り返った先には、翔君が立っていた。


「あっ、いえ……」


翔君は色白なのに健康的な体つきで、少しも貧弱な感じがしなかった。

メガネをかけているせいか、すごく勉強が出来そうな感じがするし。


「あれ、毎年なんだ」

蓮の後ろ姿を見ながら、翔君は悲しそうな顔で話し始めた。


「昔はあんなんじゃなかったんだけどな。
根は良い奴なんだ。マジで。だから、勘弁してやってな」


や…優しい。


蓮と話したの後だから、翔君が余計に優しく感じてしまう。


「何か分からない事が有ったら、すぐに聞いてね」


そういうと、好青年な翔君は持ち場に戻って行った。


ヤバい。

ヤバイよ、翔君!!!


マジ、惚れちゃいそうだよ。


そう思っている矢先に



―――バシッ


「ったぁ~~~!!!」


後頭部に激痛が……


「1日目からサボりか?良い度胸してんじゃん」



頭を抱えながら振り返った先には―――


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