脱・不幸恋愛体質

翔君の中にある私の存在なんかちっぽけで、蘭さんに比べたら数百分の一しか無い歴史だけど……


たった3日間だけでも幸せをくれた翔君は、やっぱり私の彼氏で王子様だった。


「ねぇ、蘭さんってこれからずっと日本に居るの?」


「いや…一時帰国って言ってたから、多分戻るんじゃないかな」


「そう」


翔君の幸せの為に、そして私自身の幸せの為に……

きっと、この関係を終わらせてあげる事が、私から翔君への最後の思いやり何じゃないかなって思う。



分かってるよ、バカだって。



未練だって超タラタラだし、本音は翔君を手放したくない。


だけど、心の中に蘭さんが居る翔君を、私は愛しつずける自信がない。


『私だけを見て』

って言ってしまうよ。

その時、翔君も私ももっと苦しむはずなんだ。


だから、今が潮時。


私からちゃんと言う。



『もう、嫌いになった』



って……


嫌いに…――


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