脱・不幸恋愛体質
「蓮!!何するのよ?」
「別に。お前がサボっていたからだろ?」
悪気も無く言い放った蓮は、びっくりしている私に対して冷たく言い放つ。
「ついて来い」
「は?!」
「仕事、覚えたいんだろ?」
振り向きもせずにズンズンと歩いていく蓮の後を、小走りで必死でついて行く私。
砂に足を取られ、転びそうになりながら向かった海の家の裏側には、見事なまでのパラソルの山が……
「これのチェックして掃除しとけ」
耳を疑った。
何本有るか分からない程のパラソルの山なのだ。
これじゃ、一日中拭いていても間に合わないよ。
「えっ……これ全部?」
そう聞く私に、当たり前の様に
「ああ」
と答える蓮。
試しに、積まれている内の1つを手に取ってみた。
うわっ!!!
何これ、超ゲキ重なんですけど!!
あの……
蓮は忘れてるかもですが…
これでも私、一応女の子ですから。
危うくパラソルもろとも倒れそうになりながら、辛うじて海の家の壁に立てかけた。
「こんなの無理だよ……」
ため息混じりに言った私の発言に対して、蓮の冷たい一言が突き刺さる。
「じゃあ、辞めろ」