脱・不幸恋愛体質

「蓮!!何するのよ?」

「別に。お前がサボっていたからだろ?」

悪気も無く言い放った蓮は、びっくりしている私に対して冷たく言い放つ。

「ついて来い」

「は?!」

「仕事、覚えたいんだろ?」

振り向きもせずにズンズンと歩いていく蓮の後を、小走りで必死でついて行く私。

砂に足を取られ、転びそうになりながら向かった海の家の裏側には、見事なまでのパラソルの山が……


「これのチェックして掃除しとけ」

耳を疑った。

何本有るか分からない程のパラソルの山なのだ。

これじゃ、一日中拭いていても間に合わないよ。


「えっ……これ全部?」

そう聞く私に、当たり前の様に

「ああ」

と答える蓮。

試しに、積まれている内の1つを手に取ってみた。


うわっ!!!
何これ、超ゲキ重なんですけど!!


あの……
蓮は忘れてるかもですが…


これでも私、一応女の子ですから。


危うくパラソルもろとも倒れそうになりながら、辛うじて海の家の壁に立てかけた。


「こんなの無理だよ……」


ため息混じりに言った私の発言に対して、蓮の冷たい一言が突き刺さる。


「じゃあ、辞めろ」


< 9 / 124 >

この作品をシェア

pagetop