脱・不幸恋愛体質
海の家に着いてからも、全く休む事無く働かされ今に至る……みたいな。
横では蓮がお客さん相手に営業スマイル。
『や~ん。可愛い』
なんて言うお姉さんに、朝のあの機嫌が悪そうな顔を見せてやりたいわ。
蓮を引いた視線で見ていると
「何か文句あんのか?」
いえいえ…ありませんけど。
ってか、凄い睨まれていますが。
「今のお姉さんに、普段の顔を見せて……グワッ…」
蓮君、店頭で女の子にヘッドロックかけるのは辞めて下さい。
辛うじて逃げ出した私は、絶対隙を見て背後から跳び蹴りをしてやる事を決意した。
そんなこんなで、サラッと1日が終わっていき、何とか翔君と2人っきりにならずにすんだ。
もちろん、翔君を見る度にズキズキと心が痛くなったけど、嘘でも笑って居られたのは蓮のおかげだと思う。
この調子で、あと4日間乗り切ればバイトが終わる。
私は終了時間になるや否や、
『お疲れ様です』
と、海の家を飛び出していた。