君が、好きです。
第一章〜小さな恋の物語〜
*忘れなくていい。
沙織side
今日の朝も重たいまぶたをあけベッドから起き上がる。
カーテンごしから突き刺さる太陽の光があたしを照らす。
外ではヒラヒラと桜の花びらが散っている
この花びらの様にあの日の恋も散ってしまうのだろうか……。
ぴーんポーン
「沙織ーっ!」
そして、迎えに来る幼なじみの拓也。
がちゃ
玄関を開けたら太陽の様にキラキラしている。
「おはよー。拓也」
「……元気ないケド、……まだアイツの事おもいだした…?」
「……ぅん。やっぱ、忘れた方がいいのかな……?」
「んー、別に忘れなくていいじゃん」
「……ぇ?」
「忘れたくないなら忘れなければいい。」
「ありがとー、拓也」
拓也がくれた言葉。
”忘れなくていい”
その言葉が胸にしみて涙が出てきそうだった。