番外編「雨に似ている」1話読み切り
薄紅色の花弁に薄桃色が微かに色をさす、優しい色合いに心が和む。



以前に品評会だったか、鑑賞した品種に少し似ている。

名前は思い出せない。




「お花の先生にいただいたの、『隅田の花火』っていう名前ですって」



野郎の部屋に飾るには勿体ないほど繊細な紫陽花だなと思う。




雨天の湿った天気は体に負担がかかる。


今日も朝から熱っぽい。




昨年暮れから何度もあれこれ検査を繰返し、様子を診ながら体力不足や度々の体調不良で延ばし延ばしにしてきた手術も これ以上先送りするには限界で、夏休み早々に入院し手術を受ける。



が根治手術にはほど遠い。

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