番外編「雨に似ている」1話読み切り
ベッドに備え付けの机をセットし、音の鳴らないペラペラな鍵盤に指を滑らせたり叩いたりする。


が虚しさと寂しさに苛立ち、時々ヴァイオリンを手に病室を抜け出しエレベーターで屋上に上がる。



見慣れた街並みを見下ろしながら弾くヴァイオリンは、荒れた気持ちを落ち着かせるには丁度良い。



奏でる曲は、テンポもジャンルもまちまちだが、気に入りの曲は幾つかある。



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