番外編「雨に似ている」1話読み切り
屋上から見える青い海は此処、横浜の海も遠く佐世保の海もレイテ沖の海もつながっていて、60数年前の忌まわしい過去など微塵も感じさせない。


黒々と空を染めたという敵の爆撃機もいない。

青く澄みきった空が広がっている。


が、戦争は決して無かったことにはできない負の歴史だ。



防衛史料館には、そうした様々な史料が保管されている。


群青を奏でながら、ふと史料館を見学した時に見た若き特攻隊員の姿が浮かんだ。


出撃の日、飛び立つ兵士に贈られた特攻花に様々な思いを込めて、戦闘機へ乗り込んでいく若き兵士の凛とした姿が……。



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