番外編「雨に似ている」1話読み切り
市内の大学に通う医大生だと誰かが言っていた。



「俺、9時までで上がりなんだ。1つ、残しといてよ。帰りに寄るから」


「どれ?」


「ん……生のホワイト」


OKと頷いてΓありがとうございます」と言うと、彼は「何時まで?」と尋ねてきた。


「いつもは8時、でも今日は売れるまでかも」

彼は驚いたような顔をし、台の上に重ねた箱を数え出す。


「けっこうあるな……」

言いながら携帯を取り出し操作を始める。


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