番外編「雨に似ている」1話読み切り
コートの上からマフラーを格好良く首に結び、あどけない顔をし、薄い髪の色をした男の子が近づいてくる。
肩にはヴァイオリンケースを背負っている。
「甘いのは苦手なんだけど、美味しいお店だって前から気になってた……1つ白い方を」
穏やかに微笑む。
理久と呼ばれた彼が店に居るとき、よく来る高校生だ。
「あらっ、貴方も理久からメールを?」
肩まで髪を伸ばした気丈そうな女子高校生が男の子を見上げて言う。
その後ろから真面目な優等生風の青年の声が上から降ってくる。
「相変わらずだな、理久が一斉メール送ったな」
「ったく、何人にメール送ったんだか」
同じ制服を着た学生が間もなく数名、店先に集まり言葉を交わしあう。
商品を個別に袋に入れて手渡しながら「ありがとうございます」と心を込める。
肩にはヴァイオリンケースを背負っている。
「甘いのは苦手なんだけど、美味しいお店だって前から気になってた……1つ白い方を」
穏やかに微笑む。
理久と呼ばれた彼が店に居るとき、よく来る高校生だ。
「あらっ、貴方も理久からメールを?」
肩まで髪を伸ばした気丈そうな女子高校生が男の子を見上げて言う。
その後ろから真面目な優等生風の青年の声が上から降ってくる。
「相変わらずだな、理久が一斉メール送ったな」
「ったく、何人にメール送ったんだか」
同じ制服を着た学生が間もなく数名、店先に集まり言葉を交わしあう。
商品を個別に袋に入れて手渡しながら「ありがとうございます」と心を込める。