番外編「雨に似ている」1話読み切り
「積もるかもしれないから早目に上がっていいわ」
礼を述べて、腕時計に目を落とすと、8時半前。
レジに商品を持って奥さんに声をかける。
「1つ、買っていきます」
「いいわよ。寒い中、たくさん売ってもらったんだもの。ご褒美」
奥さんは穏やかに微笑んだ。
「お言葉に甘えて」
「暮れまで、まだ数日忙しいけれどお願いね」
奥さんは言いながら、レジの中身を金庫に移し鍵をかける。
店のカーテンを引き、「お疲れ様でした」と言うと、「ありがとう」の言葉が返ってきた。
朝から何度も口にした、「ありがとう」を誰かから返される温もり、こんなに嬉しい言葉だったんだなと感じた。
礼を述べて、腕時計に目を落とすと、8時半前。
レジに商品を持って奥さんに声をかける。
「1つ、買っていきます」
「いいわよ。寒い中、たくさん売ってもらったんだもの。ご褒美」
奥さんは穏やかに微笑んだ。
「お言葉に甘えて」
「暮れまで、まだ数日忙しいけれどお願いね」
奥さんは言いながら、レジの中身を金庫に移し鍵をかける。
店のカーテンを引き、「お疲れ様でした」と言うと、「ありがとう」の言葉が返ってきた。
朝から何度も口にした、「ありがとう」を誰かから返される温もり、こんなに嬉しい言葉だったんだなと感じた。