みあげればソラ
「おまえは変わらねぇな、相変わらず綺麗だ」
ほら早く脱げよ、とその男は美亜をベットに投げ出した。
美亜は両腕でしっかりと自らを抱きしめ、胎児のように体を丸めた。
成す術もなく従ったあの頃の自分とは違う。
そう思うも声が出なかった。
目を開けてその男の姿を見ると恐怖が先だって意識が飛びそうだった。
カチャカチャとベルトを外す音が聞こえる。
見えずとも、男がこれから美亜にしようとしていることは明白だった。
「脱がねぇなら、剥ぎ取るまでだ」
男の汗ばんだ熱い掌が美亜の脚に触れた。
「お前だって結構感じてたじゃねぇか、思い出させてやるよ」
男の手が美亜の脚をなぞり下着へと手を伸ばした時、彼女は心の底からわき上がる怒りと嫌悪に突き上げられた。